Syndic No. 37 ~ 10th Anniversary Special Issue Cover
Syndic Literary Journal

Syndic No.37 ~ Taki Yuriko (Japanese) Tokai Reprocessing Plant

JAPANESE TRANSLATION

Forgotten Tokai Reprocessing Plant

 

忘れられた 大爆発の危険

  ―東海再処理工場(※note)―

 

多喜百合子

東京までの直線距離は120キロ

日本初の原子の火が灯った地 日本茨城県東海村。

1963年以来、原子力研究の最先端を担っている。

 

東海第2原発を筆頭に

30キロ圏内に18もの核関連施設がある。

ダントツで全国一の数だ。

しかし

どれも老朽化し、事故が起きない方が奇跡に等しい。

 

国の施設、東海再処理工場もその一つ。

再処理工場とは プルトニウム抽出施設。

アメリカでは原爆の原料を作る施設だった。

日本では

プルトニウムの平和利用、

原発の核燃料サイクルなどと言い訳している。

この核燃料サイクル 技術的には まだ確立していない。

海外ではすでに ほとんどが撤退している。

 

失敗が続き この日本初の施設は廃止がきまっている。

しかし、

ここ東海再処理工場には高濃度の放射能廃液が残ったまま。

一度に何十億人も殺せる量の廃液だ。

 

プルトニウムを抽出したあとの

大量の硝酸溶液が 廃液として 放置されている。

廃止が決まった時点で

あらたな安全対策の予算もつかない。

 

液体だから

タンクに割れ目が出来るだけでも外に漏れてくる。

超高放射性廃液だから発熱し続けるので

絶えず冷却の必要がある。

もし冷却が止まれば水素爆発が起こる。※1

冷却用の水を送り続けるためには電気が不可欠だ。

地震、津波で電源喪失、あるいは

オスプレイが墜落して割れ目ができても

あのフクシマと比較できないほどの

さらなる大惨事となる。

 

因みに秒速5メートルの風が東京から西に向かって吹くと

最悪の場合

帯状に滋賀、京都あたりまで 600キロぐらい先までの

人間の半数が死ぬことになる。※2

 

プルトニウムを硝酸漬けしてしまったことが間違いなのだ。

人間が近づくと20秒で死亡する高線量廃液を生んでしまった。

何とかして固体にしたいと作ったのが青森県六ヶ所村。

だが ここも行き詰っている。

 

大っぴらには核兵器をつくれないから

平和利用と称して

再処理なんていうことに手をつけたことが

間違いなのだ。

 

本当はやってはいけないことなのだ。

再処理工場は原発の廃炉よりも

桁違いに長期間厄介な残務処理が必要になる。

 

フクシマの事故から10年にもなるのに

漏れ出す放射能を止めることができていない。

あの日の夜 出された

『原子力緊急事態宣言』もいまだ解除できない。

そして東海再処理工場の恐ろしい廃液のことも

すっかり忘れてしまったようだ。

選りに選ってこの再処理工場のすぐ近くにある

フクシマよりずっと古い老朽原発まで※3

再稼働させるという。

そうすればフクシマの事故以来止めていた他の原発の再稼働がしやすい。

核爆弾の材料の確保につながる。

海外には脱炭素にも貢献できると言い訳できる。

 

日本政府は世界中が新型コロナに苦しんで共に闘っている最中でさえ

核抑止力などという時代おくれの神話を信じている。

現在 止めている

各地の原発再稼働を 国策として 後押ししている。

唯一の被爆国であるのに

核兵器禁止条約に調印しない。

 

言い訳に使った再処理工場は 放置され

今 爆発の危険にさらされている。

 

※1冷却装置や水素除去装置が止まると最短15時間最長55時間で沸騰、その後最短7時間から最長38時間で水素爆発する。

 

※2ノルウエー政府がイギリスの再処理施設が爆発したときを想定、同様にドイツ政府が旧東ドイツ地域にあった再処理施設が爆発を起こした場合をシミュレーションした放射能拡散算出方法を 高木仁三郎博士が日本に当てはめて計算したのがこの結果。

 

※3東海第2原発のこと。東海再処理工場はここから南にわずか3キロの場所。東海第2原発が再稼働され、事故をおこせば 当然再処理工場にも飛び火して 大惨事が予想される。

 

NOTE 

再処理工場とは

再処理工場(さいしょりこうじょう)とは、原発の原子炉から出た使用済み核燃料の中から使用可能なウラン、プルトニウムを取り出す施設である。
核燃料サイクルの中で使用済燃料を再利用する政策においては、要となる施設である。

プルトニウム抽出による核兵器製造

一般に、低濃縮ウランからなる核燃料を原発の原子炉で「燃焼」させると、ウラン238 中性子を吸収することでプルトニウムが生成される。再処理はそのプルトニウムを抽出する処理であることから、使用済み核燃料と再処理工場を保有することは、核兵器の原料であるプルトニウムを得ることができることを意味する。

 

Compiled/Published by LeRoy Chatfield
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